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①4つの基礎石(基本概念)


◆子どもの自主性(やる気)

子ども達が自分を取り巻く世界を理解するためには自主的に取組むこと、そしてその自主性を維持させることが何よりも大切です。子どもたちは「認められたい、自信を持ちたい」という養護的な要求と、「学びたい、探索してみたい」という教育的な要求を持っています。まずは養護的要求が満たされてこそ自主性は育まれ、充分に発揮することができます。

◆保育者の自主性(働きかけ)

子どもの自主性を育むため、保育者には子どもの要求を考慮した働きかけが必要とされます。まずは、安心できる保育環境の提供、変わらない情緒的な支援、自身の能力を信じて行動できるように支援するといった安らぎを与える働きかけ。その一方、教育的な観点から、発達を活性化させるために学びに明確なねらいをもって活動をすすめたり、学びに段階を設けたり、子どもの遊びや発達の状況に応じて支援方法に段階を設けるなど幅広い教育技能でもって働きかけることも必要です。

◆寄り添うこと(nearness)  養護的内容の基盤となる理論

母親と子どもの良好な関係がもたらす影響に注目した“アタッチメント(愛着)理論”から、その愛着は保育者と子どもの関係にもあてはまることをピラミッドメソッドでは唱えています。子どもが安心して探索活動にエネルギーを注げるようになるには、保育者が子どもと良好な信頼関係をきずくことが最も重要です。また、このような感情は、自分自身と他者を信頼することにつながります。

◆距離をおくこと(distance)  教育的内容の基盤となる理論

「今、目の前にある」物事だけを学ぶのではなくて、「目に見えないもの」にも焦点を合わせる学びが、子どもの発達を促す上で大切である、という“ディスタンシング理論”を適用しています。発達段階に合わせて、子どもに身近で具体的なことから取組みを始め、徐々に外の世界・抽象的な世界へと導く中で、表現することに挑戦させて発達を促します。



子どもには充分な寄り添いがなければ、探索はできません。ピラミッドメソッドでは 養護 の土台の上に 教育 が成り立つという子どもの発達のビジョンをしっかりと持っています。その中で、この4つの基本概念は相互に関連し合い、ピラミッドメソッドにおける全活動の「基礎石」となる役割を担っています。


②目に見える保育環境

4つの基礎石をベースに、ピラミッドメソッドでは遊びと学びの保育環境が充分に整えられた保育室を提唱しています。その中でも、目に見える形で遊びを準備することは、子どもが自主的に遊びに取り組むため、自律性を養うために重要です。準備された遊びのコーナーのどこで遊ぶのか、子ども自身が選択をして少人数のグループ、または一人で遊びます。

③保育活動「プロジェクト」

ピラミッドメソッドにおけるプロジェクトは、断片的になりがちな日常の保育活動の中にテーマ性とねらいを明確に与える保育方法です。プロジェクトのテーマは11ヶあり(大きさ、数、色と形、家など)、ひとつずつではバラバラのように見えても、様々なテーマのプロジェクトを徐々に難易度をあげながら、3年間繰り返し取り組むことで、子どもの発達は八つの発達領域すべてにおいて促されます。
子どもは日々の遊びや経験を通して学びます。子どもの興味に焦点を当てたプロジェクトでは、子どもに寄り添った身近で具体的な話題で遊びに引き込み、テーマに沿った遊びの活動をグループ全体で、小グループで、そして一人で行ううちに、次第に距離をおいた抽象的な概念の獲得へと子どもたちを導きます。その活動の姿は、「保育者 対 子どもの集団」という一方的な伝達による教育風景ではなく、「保育者と子ども、子ども同士」という相互的な学びであることを大切にしています。また、充分に遊べていない子どもに対する保育援助としてのチューター(より専門性のある保育者)カリキュラムや、保護者活動のカリキュラムも充実しています。


(*)・・・ピラミッドメソッドでは、子どもの発達を個性・情緒・知覚・言葉・思考・空間と時間の理解・運動・芸術という八つの領域に分類しています。